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メルマガのネタは何種類ある?D2C・EC13ブランドの配信を3週間分類してわかった「型」と配分

「ネタ〇選」を読んでも、なぜ翌週にはまたネタが尽きるのか

メルマガのネタが尽きたとき、多くの担当者がまず検索するのは「メルマガ ネタ 〇選」のような記事だと思います。こうした記事は新商品告知・セール・スタッフの声といったアイデアを列挙してくれるので、その週の1通は書けます。しかし翌週には、また同じ検索をすることになりがちです。

この記事では、問題はアイデアの絶対数ではなく、普段どんな型の配信で埋めているかという「型の構成」にあるという仮説で調べました。アイデア集を増やすのではなく、D2C・EC13ブランドが実際にどんな型の配信をどんな配分で送っているかを3週間観測した結果をそのまま公開します。

この記事のデータについて(観測の前提)

本記事で扱う数値は、当社が独自に収集した一次データの集計です。世の中の「業界平均」ではなく、当社の観測範囲内での実測である点を前提として読んでください。

観測の前提:

  • 観測期間: 2026年7月9日〜7月30日(約3週間)
  • 収集方法: D2C・EC系ブランドのメルマガを購読し集計(週次更新中)
  • 集計対象: ブランド発の配信のみ(マーケティング系ニュースメディアなど、配信プラットフォーム側からの配信は除外)
  • 登録直後の1通目(ウェルカムメール)は各ブランド1通ずつ除外しています。登録操作のタイミングに内容が引きずられ、定常配信の実態を歪めるためです
  • 集計対象の母数: 13ブランド・66通
  • 偏り: うち1ブランドが32通で、全体の約半数を占めています。これは「業界平均」ではありません。この後の分析では、この偏りをむしろ活用し、高頻度配信ブランドと他12ブランドを分けて比較します
  • 分類方法: 件名テキストからの定性分類であり、本文全体の内容とは必ずしも一致しません。また開封率・売上等の効果とは無関係で、因果関係を主張するものではありません
  • 継続観測の第1回であり、母数の拡大とともに数値は更新していく前提です

実際に配信されている9つの型と全体構成比

66通の件名を読み、内容の性格から9つの型に分類しました。定義は次のとおりです。

  • A 新商品・新入荷の案内
  • B 再入荷・在庫復活・在庫僅少
  • C セール・フェア・ポイント施策
  • D レシピ・使い方・季節提案
  • E お客様の声(レビュー引用を件名にしたもの)
  • F 裏側・ものづくり・読みもの(職人、スタッフの声、理念、エッセイ)
  • G お知らせ(価格改定・品切れ・販売予告・購入制限)
  • H メディア掲載・イベント
  • I クーポン・登録特典

13ブランド・66通全体の構成比は次のとおりです。

通数構成比
D レシピ・使い方・季節提案1421.2%
A 新商品・新入荷1319.7%
B 再入荷・在庫復活・在庫僅少812.1%
C セール・フェア・ポイント710.6%
F 裏側・ものづくり・読みもの710.6%
G お知らせ(価格改定・品切れ等)710.6%
H メディア掲載・イベント57.6%
E お客様の声46.1%
I クーポン・登録特典11.5%
合計66100%

※本記事の数値は当社の観測台帳(13ブランド・66通・2026年7月9日〜30日)の集計であり、業界平均ではありません。

全体で見ると「レシピ・使い方」と「新商品・新入荷」の2型で約4割を占めています。この全体の数字だけを見ると、型の分布に大きな偏りは無いように見えます。しかし、この66通を高頻度で配信できているブランド1社と、残り12ブランドに分けて見ると、まったく違う姿が見えてきます。

型構成比の対比|各ブランドの違い

今回の観測で最も配信頻度が高かったのは、ある食品ブランド(以下、高頻度配信ブランドと呼びます)でした。3週間で32通、週あたり約10通というペースです。この会社の型構成を見ると、新商品・新入荷の案内はわずか6.3%(2通)でした。主力は、レシピ・使い方(28.1%)、再入荷・在庫復活(21.9%)、お知らせ(18.8%)、お客様の声(12.5%)です。セール・フェアは今回の観測期間中は0通でした。

一方、残り12ブランドの配信34通を見ると、新商品・新入荷が32.4%(11通)、セール・フェア・ポイント施策が20.6%(7通)を占め、この2つの型だけで53.0%に達します。お客様の声は12ブランド合計で0通でした。高頻度配信ブランドだけが4通使っている型です。

配信内容の型の構成比

高頻度配信ブランド(週約10通・全32通) B 21.9% D 28.1% E 12.5% G 18.8% 他12ブランドの合計(全34通) A 32.4% C 20.6% D 14.7% F 14.7% H 8.8% 0% 25% 50% 75% 100% 型の凡例(色の濃さ=型の違い) A 新商品・新入荷 B 再入荷・在庫復活 C セール・フェア・ポイント D レシピ・使い方・季節提案 E お客様の声 F 裏側・ものづくり G お知らせ H メディア掲載・イベント I クーポン・登録特典
図: 高頻度配信ブランドと他12ブランドの配信内容の型構成比(100%積み上げ)

※図の数値は本文表と同じ観測台帳(高頻度配信ブランド32通、他12ブランド合計34通)の構成比です。個別の割合が小さい型(B・G・I等の一部)は図中では色のみで表現し、数値は上記の表・本文の記載を参照してください。

この対比から読み取れることは2つあります。1つ目は、新商品・新入荷という型は自社の開発サイクルや値引き判断に依存し、担当者の意思だけでは頻度を増やせないという点です。新商品が無い週、セールを打つ理由が無い週にネタが尽きるのは、担当者の企画力の問題というより、型構成の設計の結果だと考えられます。2つ目は、高頻度で配信できているブランドは、レシピ・再入荷・お客様の声・お知らせという「商品が増えなくても発生する情報」を主力に据えている点です。特にお客様の声は、他12ブランドが合計0通だったのに対し、高頻度配信ブランドだけが12.5%(4通)を使っていました。すでに手元にある情報でありながら、多くのブランドで使われていない型だと言えます。

したがって「ネタ切れ」の正体は、アイデアの数が足りないことではなく、発生頻度が自社でコントロールできない型(新商品・セール)に依存した型構成になっていることだと考えられます。なお、この対比は件名からの定性分類であり、開封率や売上といった効果の高さを比較したものではない点は改めて明記しておきます。

自社の配信ローテーションを設計する手順

自社でメルマガのローテーションを設計する際は、次の3ステップで型を棚卸しすることをお勧めします。自社都合で発生頻度をコントロールできる型と、新商品・セールのように外部要因に左右される型を分け、前者を配信の主軸に据えるのが基本の考え方です。

  1. 過去の配信を型で分類する: 最低でも8週間分の配信を、件名ベースで9つの型(またはそれに近い自社版の型)に分類し、自社の型構成比を出します
  2. 型を「自社都合の型」と「外部要因の型」に分ける: レシピ・使い方、裏側・ものづくり、お客様の声、お知らせなど発生頻度を自社の判断で増やせる型と、新商品・セールのように発生自体が外部要因(開発サイクル、値引き判断)に左右される型を分けます
  3. 自社都合の型を週次配信の主軸に据える: 新商品・セールは「発生したら差し込む」型として扱い、無い週にネタが尽きないようにします

この手順は、コンテンツ運用そのものの体制設計とも重なります。何を主軸に据え、何を機会が来たら差し込むかという役割分担の考え方は、コンテンツ制作を内製化していく際の設計にもそのまま応用できます。詳しくはコンテンツ内製化の進め方で扱っています。

歯止め。型を回すだけでは成果にならない

ただし、型をローテーションできたとしても、それだけで成果につながるとは限りません。自社のEC(味噌ブランド)で配信した461字の読みもの型メルマガでは、開封率22.44%まで到達した一方で、クリック率は0.18%にとどまりました。原因は、購入導線が本文末尾に生URLを1本置いただけだったことです。

この結果から言えるのは、件名や型の工夫よりも先に、「1通ごとの目的が1つに絞れているか」「同じ遷移先を複数箇所に置いているか」のほうが導線の効き目に影響したという点です。これは自社のこの1通に限った実測であり、他の型・件名でも同じ結果になると主張するものではありません。型のローテーションはネタ切れを防ぐための仕組みですが、1通ごとの導線設計は別の問題として扱う必要があります。この導線設計の考え方は、D2C・ECのコンテンツマーケティングで扱っているファネル設計とも重なる部分です。

まとめ。メルマガのネタ管理は編集機能の設計問題

メルマガのネタ管理は、思いつきで埋める作業ではなく、型の構成比をどう配分するかという編集機能の一部です。何を主軸に据え、何を機会があれば差し込むかを決める仕組みがあれば、新商品やセールの有無に配信頻度が左右されにくくなります。

今回の観測は13ブランド・66通、3週間という限られた母数の第一回です。母数を広げながら、この型の分布を継続して観測していきます。

よくある質問

Q1. メルマガのネタが毎週尽きてしまうのはなぜですか?

アイデアの絶対数が足りないのではなく、新商品・セールのように発生頻度が自社でコントロールできない型に配信を依存していることが原因である可能性があります。D2C・EC13ブランド・66通を3週間観測した結果、他12ブランドは新商品・新入荷とセール・フェアの2型だけで53.0%を占めていました。

Q2. メルマガのネタ切れを防ぐにはどんな型を主軸にすればよいですか?

レシピ・使い方、裏側・ものづくり、お客様の声、お知らせといった、商品が増えなくても発生させられる型を主軸に据えることです。今回観測した高頻度配信ブランド(3週間で32通)は、新商品・新入荷はわずか6.3%にとどまり、レシピ・使い方(28.1%)や再入荷・在庫復活(21.9%)を主力にしていました。

Q3. 配信ローテーションを設計するにはどうすればよいですか?

①過去の配信を型で分類して自社の型構成比を出す、②型を自社都合でコントロールできる型と新商品・セールなど外部要因に左右される型に分ける、③自社都合の型を週次配信の主軸に据える、という3ステップで棚卸しすることをお勧めします。ただし型のローテーションだけでは成果につながらず、1通ごとの購入導線設計は別の問題として扱う必要があります。

安岡 歩/テキサス・アユミ

安岡 歩/テキサス・アユミ

株式会社ドットミソ 代表取締役

メディア・コンテンツ事業13年目。医療系メディアを立ち上げから数百万MAU規模までグロース、医薬品EC/D2Cの立ち上げにも複数関与。現在は自社で味噌・発酵食品ブランドを経営し、コンテンツ施策で商品を売る当事者でもある。

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御社の公開情報と市場データから「何に注力すべきか」の分析データを作り、無料の作戦会議(60分)でお渡しします。

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