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内部リンクの最適化のやり方。「貼ったつもり」を実測で潰す運用設計

内部リンクは「関連記事を貼る」以上の仕事である

内部リンクは、検索エンジンに記事同士のつながりを伝えるSEOの仕組みであると同時に、読者が1本の記事を読み終えたあとに次へ進むページを決める導線でもあります。特にECのメディアでは、記事から商品ページへ進む一歩目が細いと、読者の行動はそこで止まってしまいます。

「関連記事を貼りましょう」という助言はよく聞きますが、それだけでは運用の実務には足りません。記事数が増えるほど、どの記事にどのリンクを何本貼るかという設計と、貼った結果が意図どおりかを確かめる検証の両方が必要になります。

この記事では、自社が運営する味噌のD2Cメディアでの実作業をもとに、内部リンクを設計から検証まで実際にどう回しているかを解説します。

関連記事 ECサイトのメディアの役割は?6媒体の観察から考える接続設計 商品との橋をどう設計するかの前提を扱った記事

内部リンクで起きる3つの運用事故

内部リンクは、一度設計して終わりではありません。記事が増え、商品が入れ替わるたびに、意図した通りに機能しているかどうかが少しずつずれていきます。自社の運用で実際に起きた事故は、大きく3パターンに分かれました。

パターン具体的な症状実際に効いていた要因
貼ったつもりで貼れていない新設したハブ記事へのリンクが、対象記事に想定どおり入っているか不明だった手作業での反映と、確認手段の不在
壊れているという思い込み「リンク切れが多数ある」という前提で調査を始めた実測せず、感覚で不具合を判断していた
目印とリンク先の不一致本文中のコメントは旧商品のまま、リンク先だけ後継商品に差し替わっていた判定ロジックが不一致の組み合わせを検出できていなかった

※すべて自社が運営する味噌のD2Cメディア(dott-miso.shop)での実測です。以下、実例ごとに詳しく扱います。

実例①:ハブ記事を新設し、95記事を全走査して検証した話

2026年8月8日、自社の味噌メディアに「味噌の種類」という横断ハブ記事を新設し、既存の米味噌・麦味噌・豆味噌・合わせ味噌・郷土味噌という個別記事5本の本文末尾に、ハブ記事へのリンクカードを1枚ずつ追加しました。

リンクを追加した直後は、5記事すべてに正しく入ったつもりでいました。しかし反映作業は手作業で行っており、「入れたはず」を裏付ける確認手段は持っていませんでした。そこで、公開している全95記事を1件ずつ走査し、リンクカードが本当に想定どおりの場所にあるかを確認しました。

  • 対象の5記事すべてに、ハブ記事へのリンクが1箇所ずつ入っていた
  • 対象外の記事への想定外の混入は0件だった
  • 同じリンクが二重に入っている重複は0件だった
  • 追加作業によって本文が欠落した記事は0件だった

※2026年8月8日、自社の味噌メディア公開95記事を走査して確認した実測値です。

結果だけ見れば「特に問題はなかった」という地味な話です。ただし、この走査をしていなければ「5記事とも入っているはず」という思い込みのまま公開を終えていたことになります。記事数が少ないうちは目視でも気づけますが、記事数が増えるほど、思い込みでの確認は成立しなくなります。

実例②:思い込みが実測で否定された話

2026年8月5日には、逆のパターンも経験しました。「記事内の商品購入リンク26箇所が、統合前の旧商品ページを指していてリンク切れになっている」という前提で調査を始めましたが、公開している139記事すべてを走査した結果、該当するリンクは0件でした。

購入ボタンを設置していた19記事は、すべて正しい後継の商品ページを指していました。「機能していない」という思い込みのまま張り替え作業に着手していたら、存在しない問題を直すために工数を使うところでした。

内部リンクの点検は、疑わしいと感じた箇所だけをつまみ食いで確認するのではなく、対象を全部走査して初めて「ある」「ない」の判断ができます。感覚で「機能していなさそう」と判断した箇所が、実際には壊れていないことも珍しくありません。

実例③:目印とリンク先の不一致という真因

2026年8月8日には、商品カードを全記事へ横展開する作業でも実測が効きました。当初は「特定商品のカードが入っていない記事があること」が原因だと見立てていましたが、実際に走査してわかった真因は別のところにありました。

本文中に残っていた目印用のコメントが旧商品のままで、リンク先のURLだけが後継の商品に差し替わっているという組み合わせが一定数存在していたのです。コメントとリンク先が食い違う記事は、最初の見立てでは検出対象から漏れていました。この組み合わせを検出できるよう判定処理を修正したところ、対象記事は45件から58件に増えました。

※2026年8月8日、自社の味噌メディアでの実測です。

「原因はこれだろう」という最初の仮説だけで手を動かすと、仮説の外側にある不一致を見落とします。走査の対象と判定条件は、実際に記事を1件ずつ開いて確認しながら、後から広げていく前提で設計する必要があります。

一括反映と全走査検証、2段構えの運用フロー

ここまでの3つの実例に共通するのは、内部リンクの追加や差し替えを「一括で反映する工程」と「全記事を走査して検証する工程」の2段構えで行っていることです。一括反映だけで終わらせず、必ず検証工程を対にして走らせます。

一括で反映したら、全記事を走査して検証する

① 一括で反映 対象記事全部に 同じ内容を差し込む ② 全記事を走査 件数・内容を 1件ずつ確認する ③ 差分を確認 想定外の混入 重複・欠落がないか 記事や商品が変わるたび、②から繰り返す
図: 内部リンク運用の一括反映→全走査→差分確認のフロー

一括反映の規模がわかりやすい例が、記事末に置くメールマガジン導線の展開です。2026年8月7日、公開している86記事すべてに統一した文言のメールマガジン導線を一括で展開し、86件すべてに入ったことを個別に検証しました。件数が増えるほど目視でのチェックは現実的でなくなるため、走査そのものを仕組みとして持っておく必要があります。

※2026年8月7日、自社の味噌メディア公開86記事に対する実測です。

具体的な貼り方も、テキストの中にリンクを埋め込むのではなく、見出しつきのリンクカードを段落の直後に置く形に統一しています。この記事内で使っている「関連記事」のカードも同じ部品です。文中にリンクを埋め込むと、読者が気づかずに読み飛ばしてしまうことが多く、貼れているかどうかの走査もしづらくなるためです。

記事から商品ページへの導線を測る

内部リンクの検証は「入っているか」「壊れていないか」だけでなく、そのリンクがどれだけ機能しているかも合わせて見る必要があります。自社の実測では、最大の集客記事でも本文中の商品リンクはわずか2本でした。

同じ記事は週538クリック、平均掲載順位6.1位という検索面では強い実績を持っていましたが、ファネルを段階ごとに見ると、記事から商品ページへ進む遷移は4%、商品ページからカートへ進む遷移は16%でした。いちばん細いのは、記事から商品への最初の1段目です。検索で表示や順位をとれていても、そこから先の橋が細ければ、リンクの本数と配置を見直す価値があります。

※自社ECメディアの実測値です(2026年8月時点)。掲載順位・クリック数はSearch Console、遷移率はGA4とShopifyのデータをもとに算出しています。

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内部リンクは、増え続ける前提の維持管理である

内部リンクは、記事を公開する瞬間に一度整えれば終わる作業ではありません。新しい記事が増えれば、既存記事からリンクを足す必要が生まれ、商品が入れ替われば、既存のリンク先が古くなります。どちらも「気づいたら直す」ではなく、点検の仕組みを先に用意しておく必要があります。

自社の運用では、一括で反映する工程と全記事を走査して検証する工程を対にすることで、思い込みでの判断を避けています。記事数や商品数が増えるほど、この2段構えの有無が、内部リンクが機能し続けるかどうかを分けると考えています。

よくある質問

Q1. 内部リンクは何本くらい貼ればいいですか?

本数に絶対的な正解はありません。一般的な実務の目安として語られることはありますが、記事の文脈や商品点数によって適切な本数は変わります。自社の実測では、最大の集客記事でも本文中の商品リンクは2本にとどまっており、本数そのものより「入っているかどうかを検証できているか」のほうが重要だとわかりました。

Q2. 内部リンクが正しく貼れているかは、どうやって確認すればいいですか?

感覚での確認だけに頼らず、公開している記事を全件走査することです。自社では新設したハブ記事へのリンクを5記事に追加した際、公開95記事すべてを走査し、対象5記事に1箇所ずつ入っていること、想定外の記事への混入や重複、本文の欠落が無いことを確認しました。

Q3. 「リンクが壊れている」と感じたら、どう対応すればいいですか?

疑わしい箇所だけを個別に確認するのではなく、対象記事を全件走査して初めて「壊れているかどうか」を判断できます。自社では「26箇所がリンク切れになっている」という前提で調査を始めましたが、139記事すべてを走査した結果、該当するリンクは0件でした。思い込みだけで張り替え作業に着手していたら、存在しない問題に工数を使うところでした。

安岡 歩/テキサスアユミ

安岡 歩/テキサスアユミ

株式会社ドットミソ 代表取締役

メディア・コンテンツ事業13年目。医療系メディアを立ち上げから数百万MAU規模までグロース、医薬品EC/D2Cの立ち上げにも複数関与。現在は自社で味噌・発酵食品ブランドを経営し、コンテンツ施策で商品を売る当事者でもある。

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